初恋~俺が幸せにしてみせる~
部屋に帰って1人で
缶ビールを飲みながら
自分の心に問いかけた

美晴の幸せそうな顔が
とても印象的だった

俺と一緒に居た時には
見た事のないような
キラキラした瞳だった

俺は千穂をそんな素敵な顔にさせる事が
出来るんだろうか

俺が幸せだと感じれば
千穂もそう思って
くれるのだろうか

北川さんが残した
俺と千穂への想いを
忘れるつもりはない

それはわかっているし
それも受け入れて
千穂を幸せにしたい

だけど、今の俺には
どうやって千穂を幸せにするのかがわからない

抱きしめる事も出来ず
抱きしめる事が千穂には幸せなのかもわからない

どこに答えがあるのかもわからないんだ

幸せって何だろう?

どんどん自信がなくなる

俺が千穂を愛してる
その事実しかそこにない

千穂に幸せにするなんてデカい事を言ってもそれを証明する物は
どこにも見えない

美晴に聞けば良かった

幸せって何?って

答えられるだろうか?

そんなの誰だって
答えれないかもしれない

空になった缶を見て
ギュッと握りつぶした

夜はどんどん更けた

気づけばもう真夜中

全然酔う事も出来ず
ベッドに入っても
しばらく眠れなかった
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