女子高生はオオカミ男。
何だよって言われても・・・・・・。
 
鋭い視線に耐え切れなくなって、私はいつの間にか俯いていた。

重い沈黙が耳の奥で木霊するみたいで、痛い。

何とかこの状況を打破しようと頭をフル回転させて、

「あっ」

「あ?」

解決策が見つかった。

「じ、じゃあ、お金が駄目なら凪と悠の資料片付けといて!」

その名も、

「じゃあねっ」
 
三十六計、逃げるにしかず。

「あっ、おい……ちょっと待ちやがれっつってんだろ!!」

ひいい~。んなこと聞いてませんって。

私は三人を残して全速力で廊下を駆け抜けた。

なんだか足音がバタバタと聞こえてきたけど、知ったこっちゃない。

こちとら中学は陸上三昧だったんだから。

走っているうちに胸がすっきりしてきた。

男子部の校舎を抜けると私は悠々と寮に戻った。

このときは知るよしもなかった。

あの『狼』という男は正真正銘の狼だったということに――――――。



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