Replicant・Lover's-L No.6
ライブ会場につくと、さっそくリハーサルをとスタッフに連れて行かれそうになるのを、

「少しだけ、ふたりで話をさせてくれ」

とジンに引きとめられた。

舞台裏の端っこで、ジンが壁にもたれかかる。

いつも通りの無表情が、少し辛そうに見える。

「痛い?」

あたしが上目遣いに聞くと、やっぱり、

「平気だ」

と答えた。

それから、

「すまなかった」

ジンに頭を下げられた。

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