鬼 鴉【総集編】
「待ってたよ、紅拳」
室内には、黒髪の男性と金髪の女性が存在している。
男性は豪勢な机と椅子に雄大に構え、女性は男性に従うように後方に凛として立つ。
「ナニよう、ですかな?総帥殿。今は、蛮族の城廻りの復旧で、目が回る程忙しいのですがね?」
赤い武道着の女、紅拳は男性の言葉に眉一つ動かさず、淡々と答えた。
「久しぶり……。だというのに散々な挨拶だな?紅拳殿……」
男性は苦笑を浮かべ呟くとそのまま姿勢を崩し、場の空気を和らげる。
紅拳も苦笑いを浮かべ、体勢を崩したのだった。