討竜の剣
危険を感じ、俺は汚竜から距離を取った。

そんな俺を逃がすまいと食らいかかる汚竜!

「竜滅砲…発射…!」

素早くゴーレムを作り上げたナハトが、竜滅砲で汚竜を牽制する。

直撃する砲弾。

しかし、それさえも俺達の目の前で腐蝕し、やがては消えてなくなる。

「ナハト…あれは一体!?」

彼女のところまで駆け戻った俺に。

「あれが…汚竜にドーラの兵器が通じなかった理由…」

ナハトは歯噛みしながら答えた。

…汚竜は体内に多量の汚水や汚染された空気を取り込んだ。

その体内でどんな化学変化が起きたのかはわからない。

だがその結果、汚竜の体表を包む粘液は高い腐食性を持ち、触れるものを全て腐蝕させる。

加えて魔法に対する高い耐性も持つのではないかと分析されているらしい。

「…傷を負わせられない訳じゃない…だけど…少しでも汚竜の身に触れれば腐蝕してしまう…同じ竜から造られた討竜の剣なら、或いはと思ったのだけど…」

「そんな…!」

俺は愕然とする。

汚竜討伐の為に作り上げた討竜の剣さえ、汚竜には通じないっていうのか…!?

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