討竜の剣
俺は静かに頷く。

「わかった…ナハト、お前の依頼を受けよう」

「……」

ナハトの瞳が、驚きと喜びに、微かに見開かれた。

「その代わり、四体の竜から素材を手に入れた暁には、必ず剣を作り上げてくれ。それが俺が依頼を受ける為の条件だ」

「……」

彼女は大きく一回頷いた後。

「!」

俺の目の前でフラリとよろめいた。

慌ててその体を受け止める。

…無理もない。

彼女はこの雨の中、俺が狩りから戻るのをずっと待っていたのだ。

どれ程真剣な想いだったのか。

今なら伝わってくる。

もしかしたら風邪を引いているのかもしれない。

依頼を果たすのは、彼女の体調が戻ってからだ。


< 17 / 159 >

この作品をシェア

pagetop