討竜の剣
たやすく仲間を仕留められた事で、残る二匹の駆竜が咆哮を上げる。

鳥類にも似た、甲高い鳴き声。

この鳴き声は、仲間を呼び寄せる特有の鳴き声だ。

不利になると仲間を呼び寄せる。

これも駆竜の知能が高い証拠だ。

一匹一匹は大した強さじゃなくても、群れになると手強い。

だったら。

俺は更に咆哮を上げようとする駆竜の背中に剣を突き立てた!

そして、勝ち目がないと見たのか逃亡を図る残り一匹に、剣を投げつける!

仲間を呼ぶ声とは違う断末魔の悲鳴を上げて、残る一匹も倒れた。

「ナハト」

俺はすぐに剣を引き抜く。

「すぐにこの場を離れよう。駆竜が集まってくるかもしれない」

鳴き声を上げる前に全滅させられなかったのは失敗だ。

五匹以上の群れになると、仕留めるのが厄介になる。

「さぁ、早く!」

俺は素早くナハトの後ろにまたがった。



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