討竜の剣
再び爆音を上げて走り出す自動二輪。

その速度は相当なものだ。

なのに。

「!!」

茂みの中から次々と影が飛び出してきて、猛追してくる。

案の定駆竜だった。

さっきの咆哮を聞きつけ、集まってきたらしい。

その名の通り、草原を疾走しながら俺達を追ってくる。

「くそっ」

俺は剣を片手に自動二輪の後部シートに立ち上がった。

片手はナハトの肩をつかみ、片手だけで剣を扱う。

バランスが悪く、戦いづらいが、無防備なナハトの背後を狙われる訳にはいかない。

時折跳躍して襲い掛かってくる駆竜を、横薙ぎの剣で切り払う!

大地を転がり、屍を晒す駆竜。

その仲間の屍を飛び越え、駆竜の群れは依然追跡してくる。

三匹、五匹、九匹…!

どこにこんなに潜んでいたのか。

もう俺とナハトだけで相手できる数ではなかった。



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