討竜の剣
この女…ナハトの身なりから察するに、多分貴族階級の出身なんだろう。

…この世界では、貴族とは地位と金の他に、もう一つ得られるものがある。

『魔法』。

金と引き換えに、己の身に眠っている魔法の力を引き出す事で、この世界の人間は魔法を行使できるようになる。

この世界の誰もがその素質を秘めているのだけれど、金がなければその素質を引き出してもらう事はできない。

なので自然と貴族階級の連中ばかりが、強力な魔法の力を操れるようになるのだ。

ドーラの連中が行使できるのは、土の魔法。

土人形ゴーレムを使役する事ができるらしい。

遥か昔から魔法の研鑽よりも科学の発展に尽力していたドーラの人間は、今では五つの地域の人間の中で、最も魔法の力では劣っているという。


< 6 / 159 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop