討竜の剣
森を抜け、俺達は街への帰途へと着く。

森を出た所で。

「…はぁぁ…」

突然ナハトが溜息をついた。

「…ナハト?」

俺は彼女の顔を覗きこむ。

「…よかった…」

彼女は呟く。

「幾ら剣は無事でも…炎の魔法を受け続ければ…アキラの体がもたない…あと二回も魔法を受ければ…剣よりも先にアキラが消し飛ばされていた…」

「な…」

道理で体中がヒリヒリする訳だ!

「ならさっきナハトが言ったのはハッタリだったのかよ!」

「……」

ナハトはまじまじと俺を見る。

「戦いには…駆け引きやハッタリも…必要…」

その言葉に。

「違いないや…ぷ…くくくくく!」

俺は思わず笑う。

それにつられたように表情をほころばせるナハト。

…そう、俺はこの時初めて、ナハトの笑顔を見たんだ…。

< 70 / 159 >

この作品をシェア

pagetop