討竜の剣
いつものように、狩りを終えて大衆酒場へ。

「おお!その面は本日も大漁って顔だな、火の玉!」

昼間から葡萄酒をあおっている狩猟仲間の男がガハハと笑う。

「大漁って言っても、仕留めたのは一匹だけだぜ?」

苦笑いしながら、俺はナハトと共にテーブルについた。

適当に料理を見繕い、注文。

「一匹?二匹の間違いだろ?」

別の狩猟仲間がドスンと俺達のテーブルの席に腰を下ろした。

「森でひと悶着あったそうじゃねぇか、あのハインベルトの道楽息子とよ」

「……」

ナハトが隣で小さく溜息をついた。

俺と同意見らしい。

全く…つい先刻の出来事なのに、どうしてこんなに早く情報を仕入れているのか。

「おぅみんな、乾杯だ!」

椅子の上に立ち、男が酒場中に聞こえる大きな声で叫ぶ。

「希少種の牙竜を仕留め、にっくき貴族の長男の鼻をあかした我らが小さな英雄に!」

「おぅ!乾杯っ!」

「かんぱぁあいっ!」

口々に言いながら、客達は酒を飲み干す。

俺とナハトは顔を見合わせ、密かに笑みを浮かべるのだった。

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