討竜の剣
咄嗟に甲竜の尾の着弾点から飛び退く。

尾が直撃した場所には大きな砂柱が上がり、砂粒の雨が周囲に降り注ぐ。

俺は受け身を取りつつ体勢を立て直す。

何て硬い甲殻だ。

甲竜の名は伊達じゃないらしい。

それなら。

俺は怯む事なく剣を構えて突進した。

魔物とて生物だ。

全ての生物は、体の内側…腹側は柔らかく脆くできている。

ならばそこを突けば!

切っ先を構えて突っ込み、甲竜の脇腹辺りに突き立てる!

だがその攻撃も。

「ぐぅっ…!」

骨の髄にまで届くような痺れで返された。

何だこの竜種は…剣が全く刃が立たない!

為す術のない俺を嘲笑うように、咆哮を上げる甲竜。

再び棍棒のような尾が頭上から襲い掛かり。

「アキラ!」

その尾が直撃する寸前で俺の手を握り締めたナハトによって、辛うじて圧死は免れる事ができた。

自動二輪で甲竜の間合いから抜け出し、一旦距離をとる。

作戦を立て直す必要があった。

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