討竜の剣
ブン、と。

唸りを上げた甲竜の尾が、ナハトの頭上から振り下ろされる!

その瞬間、ナハトの華奢な体は飛び散る砂煙と共に吹き飛ばされ、頑丈な筈の自動二輪でさえも、一撃の下に粉砕された。

「ナ…」

俺は自分の血の気が引いていくのを感じた。

「ナハトぉっ!!」

血相を変えて、砂の上に倒れたナハトに駆け寄る。

ナハトは俺達ファイアルの人間とは違う。

そもそもドーラの民は肉体を駆使して魔物と戦うような人種ではないのだ。

そんなナハトが、甲竜のような巨大な竜種の一撃を受けた。

「おい、ナハト、ナハト!おい!」

抱き起こし、耳元で大声で怒鳴る。

外傷はない。

だが甲竜の一撃…人間なんていともあっさり葬る事が可能だろう。

何度呼んでも返事のない彼女に、悪い予感が否応なくよぎる。

しかし…。

「ん…」


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