討竜の剣
凄まじい轟音。

火を噴いた竜滅砲は、寸分の狂いもなく甲竜の脇腹…十字傷の中央に命中した。

竜滅砲の直撃さえも無傷でしのぎきる甲竜の甲殻。

しかしそれも、完全な状態であったからこそだ。

堤防が僅かな傷から決壊するように、ひび割れた甲殻では竜滅砲の威力を防ぎ切る事は出来ない。

爆発と共に、甲竜の甲殻が粉砕される!

同時に断末魔の悲鳴を上げる甲竜。

全身から体液を撒き散らし、巨体を大きく傾かせて。

ついに砂漠の生態系の頂点に君臨していたであろう竜種は、砂塵と共にその身を横たえた。

「…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

肩で息をしながら、俺はその最期を見届ける。

手強かった。

この剣を以ってしても、ここまで苦戦する事になるとは思わなかった。

それだけに、仕留めた事に対する喜びは大きい。

「アキラ」

ナハトが歩み寄ってきた。

「お疲れ様…三体目の竜種…アキラはもう…一流の狩猟者…」

「…ナハトもな」

俺は疲れを隠さないまま、それでも笑みを浮かべた。

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