討竜の剣
甲竜の討伐を果たした事で、勝利者には権利が与えられる。

竜種の素材を得るという権利。

とはいえ甲竜の硬い甲殻だ。

剥ぎ取るにも一苦労する。

素材確保用のナイフの刃が欠けて、仕方なく剣で剥ぎ取る事にした。

「アキラ…少し多めに甲殻をとって…」

ナハトが言う。

「剣の加工の他に…防具の加工にも使いたい…」

成程、これ程の強固な甲殻だ。

俺達の身につけている防具にその甲殻を利用すれば、防御力の向上にも繋がる。

「ところでこの甲殻は、剣のどの部分に使うんだ?」

俺の問いかけに。

「柄と…鍔に使う…」

ナハトが抑揚のない声で答えた。

「甲竜の甲殻は…硬さと同時に…馴染みやすさもある…きっと…剣を握りやすく…扱いやすくなる筈…」

「そうなのか…」

そこらへんの事は職人ではないからよくわからないが、世界一の業を持つ手先の器用なドーラの人間であるナハトが言うのだから、間違いないのだろう。

ともあれ、素材を確保。

その頃にはすっかり日も暮れていた。

夜の砂漠の移動は避けた方が賢明だろう。

俺達は近くの湖で野宿する事にした。

砂漠の夜は、寒い事この上なかったが。

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