背伸びKISS
真っ暗な道は人が
二人通れるか通れないかくらいの幅。
そんな狭い幅で
すぐとなりから
お化けが出てきたら
誰だって驚くでしょ?
しかもいきなり。
怖い血だらけのお化けがさ。
そんなの……
「いやぁぁぁ―!!」
「うるさいって…」
われそうな悲鳴をあげるあたしと
そんなあたしを怪訝そうに見て呟く篤弥。
よほどうるさかったのか耳に手をあてて顔をしかめている。
だって、だって!!
普通びっくりする
でしょ!?
なのになんで
こいつは何事もなかったかのように平然としているの?
……ありえない。
心の中でつぶやいた。