クライシス
暇な奴らだ・・・


支部長は後部座席に乗ったまま外を見た。


すると突然、ヤクザが叫んだ。


「何でや!!!何で、トランクを開けなアカンねん!!!」


「いやいや・・・ちょっと見るだけやから・・・」


「嫌じゃ、ボケ!!!おかしいやないか!!!何で、アイツらの車は見ずに俺の車だけ見せなアカンのじゃ!!!」


ヤクザと警官は言い争いをしだした。


ホウ・・・ちょっと面白い事に成ったな。


支部長は笑う。


人の不幸は楽しい。


通行人や他の車の人達も興味津々でその光景を見ている。


「だから、ちょっと見るだけやから・・・」


「だからおかしいやないけ!!!アイツの車を見んと何で俺の車だけやねん!!!」


警官達は溜息を付いて支部長の車の運転手に近づいて来た。


「すみません・・・申し訳ないが、ちょっとお宅の車のトランクを見せて貰えませんか?そしたら、アイツのトランクも開けれるんで・・・」


若い警官が申し訳無さそうに呟く。


運転手が支部長の方を見る。


支部長が頷いた。


「御協力感謝致します!!!」


運転手と警官がトランクの方に回った。


支部長はこれから起こる事が少し楽しかった。


どうせ、事故で遅れるならば少し楽しむか・・・


そう思っていた。


コチラのトランクを開けると、ヤクザも開けざるを得ない。


その時のヤクザの態度が楽しみだ・・・


そう思っていた・・・




その時までは・・・



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