クライシス
十二月二十四日十五時二十五分大阪府警本部
いよいよ北朝鮮への出発を明日に控え本部は慌ただしかった。
雄介は最後の訓練を終えて、やる事が既に無かった。
ブラブラと府警本部を歩いていると、非常階段で三宅が一人タバコを吸っていた。雄介は三宅と目が合う。
「禁煙スよ」
雄介が言うと三宅は笑った。
「固いこと言うな」
そう言って煙を吐く。
雄介は三宅の隣に腰掛けた。
三宅は美味そうにタバコの煙りを吐き出した。
「美味そうっスね」
「いるか?」
「いや、良いっス。吸わないんで」
雄介がそう言うと三宅は頷いた。
「なんかシャバに出るとタバコを自販機で買えなくてビックリした。しかも高いなこりゃ」
三宅の言葉に雄介が笑った。
非常階段の窓から外の光りが差し込んで来た。まだ午後の三時台だと言うのに、夕方の光りであった。
「三宅さん」
雄介が声をかけた。
「うん?」
「なんで、革命なんか起こそうとしたんスか?」
雄介の質問に三宅は笑った。
「いきなりだな」
「いや、気になったもんで」
三宅はタバコを空き缶に入れた。軽くジュッと言う火が消える音がした。
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