クライシス
「そうだなあ。日本が、日本が好きだから、かな?」
その言葉に雄介は驚いて三宅を見る。
「何だよ?」
「あ、いやビックリしたんで。日本が嫌いだと思ってました」
三宅は笑った。
「馬鹿、嫌いだったら革命起こそうなんか考えねーよ。好きだからさ、好きだから日本を良い国にしたかったんだ」
三宅は立ち上がると歩き出した。雄介も立ち上がり後に続く。
「まあ、でも失敗だったな」
三宅は笑う。雄介は黙って三宅を見る。
「お前さあ……」
三宅が雄介に声を掛けた。
「モヤモヤしてるなら、外に行ってこい」
「え?」
「今のお前はダメだ。不安に潰れかけてる
雄介は三宅を見た。
「今日は、クリスマスイブだ。久しぶりに外の空気を吸え。んでもう一度、自分がやるべき事を確認しろ」
「三宅さん……」
「ほら。二谷に言ってこい、ダメとは言われねーよ」
三宅はそう言ってゴミ箱に空き缶を捨てると、手を振りながら歩いて行った。雄介はその後ろ姿を見送っていた。





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