クライシス
普段の雄介ならば、そしたら明日みたいな事で終わらせる。正直、クリスマスなんかどっちでも良い。
だが、今日は違った。会社なんかより俺を優先して欲しい、そう思った。俺は皆の為に命懸けで任務を行うんだ。それ位のわがままを聞いて欲しい。そう思ったのだ。
風が吹いた。寒さに、雄介はコートの襟を立てた。
由香。来てくれるかな?雄介がそう思っていると、ふと、右後ろに気配を感じた。
その気配を察知すると雄介は左前に一歩足を踏み出して、振り返り様に懐に手を入れる。だが、振り返った瞬間に雄介の視野に入ったのは、驚いた表情の由香だった。
「……由香」
「ビックリした……どうしたん?」
雄介はホッとする。最近の訓練がいよいよ、雄介の体に染み込んでいたのだった。
「あ、お疲れ」
雄介がそう言って笑った。












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