クライシス
十二月二十五日十時三十分大阪市北区
クリスマスデイはどんよりとした、曇り空であった。
雄介と由香はホテルをチェックアウトをすると、そのまま梅田の街を歩く。
二人の間に沈黙が流れていた。
雄介は昨晩、由香が何を見たか知っていた。訓練の賜物か、少しの物音で目を覚ましてしまう。由香が洗面所に行った時も起きていた。
今朝、雄介が拳銃を取りに行った時に、拳銃の上に置いてあった小さなメモの紙片が無くなっていた。
イコール、由香が拳銃を発見した、と言う事であった。
雄介は由香に何を言おうか考えたが、答えは何も出ない。
二人は休日のクリスマスの街を歩く。
「なあ」
雄介が由香に声をかけた。由香が雄介を見る。
「久しぶりに、学校に行かへんか?」
雄介の言葉に由香は雄介を見つめていた。













< 143 / 274 >

この作品をシェア

pagetop