クライシス
尾行者は慌てて路地を戻る。だが、既に雄介の姿はどこにもない。尾行者は急いで来た道を戻り大通りへ出た。
雄介は尾行者が大通りに出た時、まだ路地裏にいた。彼はゴミ箱の中に隠れて尾行者をやり過ごした。そのまま、別の路地を通り駅を目指す。
雄介の頭には平壌の地図が頭に入っている。これまで徹底的に頭に叩き込んでいたからだ。
雄介は駅に着くとすぐにトイレに入る。そこで着替えを済ませて、北朝鮮で流行りの服を着た。そしてイギリス人の偽造パスポートをライターで燃やして。トイレに捨てる。
この瞬間から雄介は北朝鮮人、チョ・ハンミンと言う人物に入れ代わった。
雄介は駅に行き切符を買う。行き先は平壌郊外の有る街であった。その駅を出た所で、二谷と三宅と落ち合う事に成っていた。
雄介は尾行に注意する為に、列車を二本見送った後の三本目に乗った。

辺りはすっかり夕闇に包まれていた。
北朝鮮の郊外の街には街灯が少ないので夜は真っ暗だ。
雄介と二谷と三宅は暗い夜道を歩く。
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