クライシス
「静かに……!黙って聴いて」
女は雄介を制する。
「今からは、もう間に合わない。国家保衛省がターナーの家に向かっている。アナタは逃げなさい。ターナーの家に近づいてはいけない」
雄介は頭が真っ白に成った。
「二谷さんや、三宅さんは……?」
「分からない」
女は首を横に振る。
雄介は立ち上がった。
「待ちなさい……!行ってはいけない。ここは密告の国なの。だから、こう言う事を想定している筈でしょ?」
女はそう言ったが、雄介はたまらずに、喫茶店を出て行った。そして走って駅に向かう。
やばい、やばい!最悪だ!二谷さん、三宅さん!雄介は蒼白になりながら、平壌の街を駆けていた。




























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