クライシス
「私は、この件が終われば辞任する……」
 桜井がそう言った。全員が桜井を見つめる。桜井は椅子に深々と座り両手を前に重ねた。そして顔を上げると全員を見る。
「だから、私の行動の責任は私が取る。私は戦後初の暴挙を起こした総理として悪名を残す……!」
 桜井は立ち上がった。そして叫んだ。
「統合幕僚長!」
 その声に弾かれて、曽根統合幕僚長が直立不動で立ち上がった。
「はい!」
 曽根が声を張り上げて返事をする。
「君達に任務を与える!大至急、北朝鮮に向かえ!」
 その言葉に全員が桜井を見つめた。
「君達の任務は、市橋雄介の救出だ!」
 桜井は睨み付ける様に曽根を見た。
「出来るか?」
 その質問に曽根は踵を合わせて直立して敬礼した……!
「もちろんであります!」
 その言葉に桜井は頷くと書記係りを見る。
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