クライシス
―― 一月十日十一時 大阪市北区梅田地下街――
由香は携帯ショップに来ていた。春のキャンペーンの打ち合わせと、ショップでのマーケティングリサーチ、そして抜き打ちでの接客対応のチェックだ。
由香がショップの表の看板の前でチェックをしていると声を掛けられた。
「鈴宮、由香さん?」
その声に振り返ると一人の男が立っていた。見覚えがある人だった。確か、一昨日雄介と大学で一緒に居た人だった。
「はい」
「ああ、良かった。私は警察庁の木下と言いまして、今、市橋君と一緒に仕事をしているんですけど。ちょっと良いですか?」
そう言って男は警察手帳を見せた。由香は困惑した。
「は、はあ」
「いや、実は緊急を要していまして、市橋君が危険な状態なんですよ」
「え?」
「すぐに、来てもらえませんか?」
「雄介が……?」
「はい。すぐに来て欲しいんですよ」
木下と名乗る男がそう言った時に声が上がった。
「待て!動くな!イ・ミンホン!」
由香がその声の主を見ると、雄介が立っていた。
雄介は手に拳銃を構えている。そして、その隣には黒尽くめの男達が同じく銃を持って構えている。
由香は携帯ショップに来ていた。春のキャンペーンの打ち合わせと、ショップでのマーケティングリサーチ、そして抜き打ちでの接客対応のチェックだ。
由香がショップの表の看板の前でチェックをしていると声を掛けられた。
「鈴宮、由香さん?」
その声に振り返ると一人の男が立っていた。見覚えがある人だった。確か、一昨日雄介と大学で一緒に居た人だった。
「はい」
「ああ、良かった。私は警察庁の木下と言いまして、今、市橋君と一緒に仕事をしているんですけど。ちょっと良いですか?」
そう言って男は警察手帳を見せた。由香は困惑した。
「は、はあ」
「いや、実は緊急を要していまして、市橋君が危険な状態なんですよ」
「え?」
「すぐに、来てもらえませんか?」
「雄介が……?」
「はい。すぐに来て欲しいんですよ」
木下と名乗る男がそう言った時に声が上がった。
「待て!動くな!イ・ミンホン!」
由香がその声の主を見ると、雄介が立っていた。
雄介は手に拳銃を構えている。そして、その隣には黒尽くめの男達が同じく銃を持って構えている。