クライシス
口々に警察が叫んだ。
「キャー!」
「なんや?」
「何?映画?」
 人々が叫び出す。雄介は目をあらゆる場所に向ける。
 雄介は考えた。イが何故俺の経歴書を持っていた?そして、昨日何故イは俺をどこかに連れ出そうとした?それは自分を狙うタメに。
 確かに今日は韓国大統領が梅田の街を訪問する。だが、それは夕方だ。ではイはどこに行った?
 その瞬間に、梅田の文字をどこかで見た事を思い出す。そして、雄介は走るのを止めた。
「どないした?」
 井上が止まり声をかける。
「携帯、ショップ……」
「え?」
「携帯ショップ……携帯ショップはどこッスか?」
「なんで?」
「奴は、奴は由香を狙ってる。俺を狙わずに由香を……」
 井上が雄介を見つめる。
「彼女、か……?」
 井上の言葉に雄介は頷いた。











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