クライシス
エピローグ
―― 二月二日十三時に十五分 北朝鮮平壌――
「チェ同志。ヨウ同志をお連れ致しました」
「ああ」
『キジ』ことチェは返事をするとドアの前に立っているヨウを見た。
「何ですかね?チェ同志」
 ヨウはチェを見る。チェは立ち上がるとヨウに近付いて行く。
「労働党書記のアナタを御呼び立てしたのは、他でも無い」
 チェは呟く。そして、ヨウを再び見つめた
「何故、日本に仕掛けた?」
 チェはヨウを睨みつける。
「ほお?やはりアナタは反日では無かったか」
 ヨウはニヤリと笑った。
「チェ同志。アナタ達みたいに古い人間はどこか日本に対して弱腰だ」
 ヨウはゆっくりソファーに腰掛けた。
「アナタ達は古い。私は日本を怖く無い。日本を今後の我々の為にも潰さなければならない。それだけだ」
 ヨウはそう言うと下を向いて笑った。
「なるほど。同志の気持ちはよく分かった」
 チェはそう言うと、指を鳴らした。その瞬間にチェの秘書がゆっくりヨウに近づいた。
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