クライシス
河野は力強く言う。


「そこで、我々は君を選んだ!君は朝鮮語が堪能で優秀だ・・・」


河野の言葉に三宅は身構える。


「君は北朝鮮に潜入して・・・三宅の情報を入手して欲しい・・・そして逮捕に結び付けたい・・・!」


二谷の心臓が爆音を立てた。


北朝鮮に・・・!


今はもちろん、当時も北朝鮮には簡単には行けない。


そして国交が無いので、大使館すら無いのだ。


イコール・・・北朝鮮に密航する事になるのだ・・・!


捕まれば命の危険がある。


二谷は震えた・・・が・・・


「行って・・・くれるな・・・?」


河野が、そう言う。


二谷は分かっていた・・・自分には選択肢が無い事を・・・


ここまで話を聞いて断れないのは、公安の世界では当たり前なのだ・・・


そして、二谷は何故自分が選ばれたかも理解した・・・



キャリアには行かせられない・・・!


もし、万一北朝鮮の当局に発見されたら間違い無く国際問題になる。


そこで・・・ノンキャリ・・・雑草の自分が選ばれた・・・


だが・・・気が付いた時は・・・既に遅かった・・・!




河野はニコニコしながら三谷を見つめていた・・・



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