【BL】ラブ・チューニング


「尚哉のこと、話せるか?」

屋上の手摺りに凭れかかっていた俊樹兄ちゃんの傍に集まり、話を切り出すのは和也。

「何?望と尚哉って何かあった訳?」

一人理解してない俊樹兄ちゃん。

「何もなかったら授業もサボらねぇし、こんな所にも来ねぇよ…」

呆れたような声の和也に、俊樹兄ちゃんは、それもそうだな…と零す。

「で、何があった訳?」

言える?と俺を引き寄せて抱きしめる。

「…昨日、尚哉と喧嘩別れしちゃって……」

思い出すと自然に涙が滲む。
声も次第に涙声になる。

それに気付いてだろう。
抱きしめていた片手で、頭を撫でる。


これが尚哉だったら、良かったのに……
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