私だけのスーパーマン
「そっか…
奥寺、んなこと言ったんだ」
いつの間にか綾は奥寺さんを奥寺と呼ぶようになっていた。
「私…どうすればいいのかな。
結局、別れられなかった」
全てが予想外で
全てが現実だった。
奥寺さんにぶたれたのも現実で。
奥寺さんの家庭を壊してしまったことも現実で。
その現実に押し潰されそうだった。
「大丈夫。
すみれのことはあたしが守る。
だから…元気になって。
泉さんに会いに行こう。
あの人、心配してたよ?」
綾は私をぎゅっと抱きしめた。
女友だちって最高だ。
改めてそう思えた瞬間だった。