私だけのスーパーマン
『こんばんは』
久しぶりに外に出る。
なんだかずいぶんと疲れた気がした。
『………ってすみれさんじゃないですか!』
泉さんは大きく目を見開く。
綾に連れられバーに来たのだ。
「どうも。…ご無沙汰してます」
「こんばんは」
泉さんは驚いたまま何も言わない。
『取りあえずいつもの席でいいかな?』
代わりにマスターが奥から顔を覗かせた。
私と綾はカウンターの端の席に座る。
「どうする?お酒…呑む?」
「ウーロン茶でいいや」
今、お酒を呑む気にはなれない。
「じゃ、いつものとウーロン茶で」
目の前にいるマスターに綾が頼んだ。