私だけのスーパーマン
あれから奥寺さんから連絡が来ない。
どうなってるんだろう。
もしかしたら怒っているのかもしれない。
このまま別れることになるのかな…?
それはそれでいい。
そのはずなのに、なぜか淋しいというキモチを感じないことができなかった。
最低な女だ、私。
奥寺さんの家庭を壊したくない、なんて言っておいてやっぱり自分が1番可愛くて。
だから奥寺さんと別れることをまだ渋っている。
なんで…別れられないんだろう。
この関係に未来がないことは分かっているのに。
そんなことは誰に言われなくても自分自身が1番分かっている。
なのに、この関係を絶つことができない。
怖いだけ。
結局はそうなんだ。
自分の身が大事で。
怖がって。
逃げて。
立ち向かうことをまだ知らない可哀想な自分。
誰か…助けてくれないかな。
スーパーマンみたいな人…現れないかな。
私を救い出してくれるスーパーマンみたいな格好いい人、いないのかな。