スカーレットの雪
ピンキーリングを、そっと左の小指にはめた。ぴったりのサイズ。奏ちゃんがあたしのサイズを、間違うはずがない。
「…奏ちゃんがはめてよ」
ねぇ、奏ちゃんがはめて。
あの笑顔で、あの声で、『緋那』って呼んで。
どうして今、奏ちゃんが側にいないの?
あたしの願いはたったひとつ。
『奏ちゃんとずっと一緒にいれますように』
たったそれだけ。
たったそれだけなのに。
…どんな形であってもいいから、奏ちゃんの側にいたかった。
そう願い、そっと瞼を閉じる。
しんとした空気が、頬を突き刺す様に流れた。