スカーレットの雪
…奏ちゃんは言ってた。過去は、変えちゃいけないんだって。
どんな道を選んでも、行き着く場所は一緒なんだって。
あたしと奏ちゃんの行き着く場所も、どう足掻いても同じなのかもしれない。
でも、奏ちゃん言ったよね。
道はいくつもあるんだって。
例え行き着く場所が同じでも、
過去を変えることができなくても、
それでもあたしが過去に戻ってきた意味は、きっとあるはずで。
だからお願い。
どうか、間に合って。
…「奏ちゃんっ!」
思わず叫んだ。気付いたら、あの場所に来ていた。
奏ちゃんは電化製品のディスプレイの前で振り向く。
奏ちゃんの背中で大きな液晶テレビがチカチカと光っていた。
「緋那?」
声は聞こえない。聞こえないけど、口の動きでわかった。
もう何度も、あたしを呼ぶ声を聞いていたから。