スカーレットの雪
…わかってたんだ、あたし。
起こってしまったことは、変えられない。
でもどこかで、奇跡を信じてた。
今でもまだ、信じていいのかな。
ほんの小さな、奇跡を。
「…奏ちゃん」
「…ん?」
「大好き、よ」
「…俺、も…」
消え行く視界の中、最後に見たのは大好きな奏ちゃんの笑顔だった。
遠くでサイレンが聞こえる。慌ただしく動く人の声が微かに耳に届いた。
…奏ちゃん。
あたしね、どこかでこうなることはわかってた。
過去はやっぱり、変えられないんだね。
でもあたしの最後の望みは、ちゃんと叶ったから。
きっとこの奇跡は、神様がくれた最後のクリスマスプレゼントだったんだね。
奏ちゃんといたかった。
最後の、その瞬間まで。