看護学校へ行こう
 実はエロい映像を見るのはこれが初めてではない。一年生の頃、アイドル歌手に似た、れいちゃんというかわいい女の子と、ピンク映画を見に行ったことがある。なんでそんなことをしたかというと、5月のある日、私がもうすぐ19歳の誕生日だから、記念に何かしたいと、隣の席のれいちゃんに言った。

「もう大人だから、大人っぽいことしようよ。」

ということになり、18歳未満もしくは高校生不可の映画を見ようじゃないかということで、ピンク映画を見に行くことになった。

 学校の近くに、大変しょぼい映画館がある。そこはほとんどピンク映画しか上映していなさそうであった。とりあえずそこへ行くことにした。

 私の誕生日なので、映画を見た後ケーキを食べに行こうと言うことで、お洒落していった。この頃流行の格好と言えば、アイドル歌手全盛期なので、ぶりぶりのピンク、フリル、スカート、みたいなスタイルである。私たちもそれなりに流行を追った格好をした。その格好で映画館に行った。

 映画館に着くと、受付窓口の切符売り場は手しか見えない小さな穴が開いていて、おばさんの声で、

「1200円です。」

と聞こえた。
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