蜜事中の愛してるなんて信じない
そんなふうにして、フロアにある展示物のひとつひとつ係員の如く説明を聞き終ると、吹き抜けの天井から吊された大きな地球が目に飛び込んできた。
雲がゆるゆる動くコンピューター制御された地球儀のおばけ。
その地球をぐるりとまわるように備え付けられたスロープ状の廊下。
「ねえ、ねえ、走らないで下さいって書いてある。走ったらどうなるのかな」
シールのようにして貼られている注意書きを指差した。
「さあ。この廊下、落ちるんじゃね?」
ふーん、と相槌を打ちながら、想像してみる。
廊下を壁に留めている五百円硬貨より直径がありそうなビスが引っこ抜けて、鉄柱の溶接がベリリっとはがれる。その瞬間このらせん状のスロープが階下に崩れ落ちる。
頼れる足場が無くなって、踏ん張りがきかない足は床と平行に。そうなると上半身だって天井と平行になるんじゃないか。
落ちる私の目には、液晶画面の集合体のような地球だけがうつる。
雲がゆるゆる動くコンピューター制御された地球儀のおばけ。
その地球をぐるりとまわるように備え付けられたスロープ状の廊下。
「ねえ、ねえ、走らないで下さいって書いてある。走ったらどうなるのかな」
シールのようにして貼られている注意書きを指差した。
「さあ。この廊下、落ちるんじゃね?」
ふーん、と相槌を打ちながら、想像してみる。
廊下を壁に留めている五百円硬貨より直径がありそうなビスが引っこ抜けて、鉄柱の溶接がベリリっとはがれる。その瞬間このらせん状のスロープが階下に崩れ落ちる。
頼れる足場が無くなって、踏ん張りがきかない足は床と平行に。そうなると上半身だって天井と平行になるんじゃないか。
落ちる私の目には、液晶画面の集合体のような地球だけがうつる。