かけがえのない唄
純×妃菜
1
あたしはには、大切な人がいる。
近いようで、遠い人。
かけがえのない唄
──第一話。
ビルにでかでかと貼られた、人気上昇中、そして誰もが知っているバンドのポスター。
あたしの隣にいる彼女はこのバンドの大ファンで、あたしに熱弁している。
「でね、Moon Lightのコンサートに行ったんだけど、やっぱまじ、カッコいいわー
歌詞とかめっちゃいいのよ!なんかリアルっていうかさぁ。やっぱ実体験に基づいて、なのかなぁ」
妃菜も聞いてみなよ!と毎回のように言う彼女、─圭織にあたしは何も言えなかった。
「ふーん」
「妃菜ぐらいだって、そんな反応するの。Moon Lightのコンサート行ったって言ったらみんな食いついてくるよ?」
Moon Lightはどの年齢の人もしってるとは言え、やっぱり同世代とそのすぐ下の世代でかなりのファンが占める。
三人共のルックスはその辺のアイドルよりカッコイイし、歌は上手い、演奏は上手い、となると人気がないわけがない。
おまけに歌詞が共感できるときたら………
「そっか」
でもやっぱりあたしはいつもの気の抜けた返事しか出来ないでいる。
近いようで、遠い人。
かけがえのない唄
──第一話。
ビルにでかでかと貼られた、人気上昇中、そして誰もが知っているバンドのポスター。
あたしの隣にいる彼女はこのバンドの大ファンで、あたしに熱弁している。
「でね、Moon Lightのコンサートに行ったんだけど、やっぱまじ、カッコいいわー
歌詞とかめっちゃいいのよ!なんかリアルっていうかさぁ。やっぱ実体験に基づいて、なのかなぁ」
妃菜も聞いてみなよ!と毎回のように言う彼女、─圭織にあたしは何も言えなかった。
「ふーん」
「妃菜ぐらいだって、そんな反応するの。Moon Lightのコンサート行ったって言ったらみんな食いついてくるよ?」
Moon Lightはどの年齢の人もしってるとは言え、やっぱり同世代とそのすぐ下の世代でかなりのファンが占める。
三人共のルックスはその辺のアイドルよりカッコイイし、歌は上手い、演奏は上手い、となると人気がないわけがない。
おまけに歌詞が共感できるときたら………
「そっか」
でもやっぱりあたしはいつもの気の抜けた返事しか出来ないでいる。