かけがえのない唄

5 side Jun


妃菜は俺が守る
そう俺は決意した




第5話 side純




「ちょっと純、どうすんだよ!?」




マネージャーの迎えで車に乗り込むとマネージャーに言われた。
予想はしていた言葉。



朝テレビつけたら俺の事報道してたし、報道陣は一杯いるし。



むしろ、マネージャーから電話がなかったことに驚いていた。






「まー変なことをしてた訳じゃねーし、妃菜は一般人だし、俺ら別にアイドルじゃねーし、昔からのファンは知ってた訳だしいつかはバレるのは覚悟してたしさ」



なんて答えようか、と考えていたら先に言ってくれたのは意外にも健だった。



「……とはいっても」



マネージャーが何かいいかけたのを遮ってまた健が言った




「俺は純に嘘をつかせるつもりはないし、妃菜のためにも堂々と言えばいいと思うけど」





「これで売れなくなったら俺らの実力がないせいだろ」




そう悟も、付け加えてくれた。




「……まぁ、そうだな。純は別に変なことしてねーからな。だけど」




ちょうど信号が赤になってマネージャーは後ろを向いて俺と目を合わせる。




なんだか目を反らすことはできなくて、にらめっこ状態になる。




「なんだかんだでマスコミはかき回す。妃菜ちゃんを守れるのは、純だからな」




「妃菜は俺が守る」




こんなところで妃菜を失うわけにはいかないんだ。




「なら俺は何もいわないよ」



とマネージャーはにっこりと笑った。




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