最初で最後の手紙



初音……。


あたしは、初音の肩を掴んで体から離す。


「お兄ちゃん、居るよ!!」


あたしは、笑顔で夜空を指差す。

初音が夜空を見上げる。

あたしも夜空を見上げる。


「キレイ…」


見上げた夜空は、たくさんの星が輝いていた。


「あの星のどれかがお兄ちゃんだね」

「そうだよ。あたし達には、お兄ちゃんが星としてしか見えないけど…、お兄ちゃんには、あたし達がしっかり見えているから…」



そうだよね?奏…







.
< 126 / 134 >

この作品をシェア

pagetop