青春の蒼いカケラ
土方放浪労編
なおとは低島屋をやめてしまった。先輩にいじめられたからだ。それから、はるおちゃんと競馬して、すてんてんになってしまった。なおとは上野駅の階段で新聞を広げ就職先を、探してた。
「おい仕事しないか」
やくざ風の人が言い出した。手配しだ。
「ええ、いいですよ」
なおとの財布には、一万円しかなかった。
「ついてこい」
近くのマンションの一室にとうされた。ママさんがそくせきラーメンを作ってくれた。美味しかった。しばらくすると。一人の男が来た。
「さあ、行くぞ」
ワゴン車に乗った。
ほかに、四人いた。
「さあ、着いた」
どうやら千葉県らしい。部屋割りをされて作業服ももらい。明日から、仕事らしい。その夜はあまり眠れなかった。朝は、早かった。六時半には出発だった。それまでには朝飯をたべておかないといけない。なおとは急いで支度した。現場まで四十分のこりの八時まで、休息だった。途中下コンビニへ寄ったので、コーラを買ってきてあった。仕事が始まった。親方が言った
「井上、おまえ免許持ってたか?」
「はい」
「ダンプは乗れるな」
「いや、初めてです」
「まあいいや」親方はこうやって、こうやってと説明しだした。
「わかりました」
簡単に返事した。ゴルフ場の現場である、最初は、掘削した土砂を捨て場に捨ててくる仕事だった。簡単だった。土砂を、碁盤の目のように、捨てて行った。四ヶ月が費やされた。給料もよかった。四十万たまった。社長に。
「しばらく休んでもいいですか」
といったら、軽く。
「いいよ」
と言ったので。東京へ向かった。どうしても、東京が恋しかった。

 なおとはまた競馬を始めた。今度はメインレースだけに絞って五万円の五点買いをした。当たった、配当金が、五百四十円、あちゃ。
「二百五十二万円になったぞ」
なおとは大喜びだった。溜まってた、家賃も払い、上機嫌だった。遊んでばかりいたのでお金が少なくなった。仕事をさがしはじめた。
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