青春の蒼いカケラ
土片修行編
「なおちゃんだいじょうぶか」
 かっちゃんが病室へ入ってきた
「やあ、かっちゃん」
「どんなぐあいだ」
「検査入院だって、腰はかるいだぼくだそうだ、首は痛いが」
「どうだ、家で働かないか」
「ん、なんで」
「福祉はいやだろう」
「うん」
「家へこいよ、わるいようにはしないから」
「わかった」

退院後かっちゃんの、版場までたずねていった。かっちゃんは、よろこんでむかえてくれた。なおとが寝起きする部屋へとうされた。三条間の小さな部屋だった。
「小さい部屋だが、一人のほうが良いだろう」
「うん」
「仕事は?」
「鳶の手元だ、明日からできるか?」
「うん」
 なおとは日給一万二千円の週払いだとの事だった。現場まで人夫を載せていく、それから鳶の手伝いだったかちゃんは専務だとのことだった。

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