【短編】少年と少女と美術館の龍
「ふ~ん」


ルーティエは再びため息を付いた。


「そのために『龍』を助けたいのね」


「うん!!」


「龍を助ける為に美術館の経営者の娘である私に近づいたのね」


「うん!!……あ」


三度めのため息が出る。前の二回よりも大きい。


慌ててアーネルは口を塞ぐが既に後の祭り。


「いや」だの「あの」だのボソボソ呟くが良い言い訳は思い浮かばないのだろう。後が続かない。
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