【短編】少年と少女と美術館の龍
さっきまでの明るい笑顔はどこへ消えた?


まるで別人。気まずそうなアーネルは小さく「ごめん」とうなだれる。


またため息が出た。今日はバーゲンセールなのか大売り出し中だ。


別に理由なんてさして重要じゃないのに。いや全く傷つかなかった訳じゃない。


だけどそれに気付かない程馬鹿でもない。


だけど……。


アーネルが思いを寄せているのは私じゃなく『龍』だ。
アーネルが必要なのは私じゃなくて私の情報だ。


わかってる。
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