【長編】私の道
「セイヤ、どうした?」
セイヤをよく見ると涙を流していた。
「俺じゃ、もうダメなのは知ってるんだよ。やり直したいとかずっと思ってたけど、もう遅いって顔を見た瞬間わかった。2年って人を変えるには短いって思ってたけど、変わりすぎだ。」
セイヤは、未來との過去を思い返していた。
「そんなに違うのか?」
真人が聞いた。
「昔から周りを気にして期待に応えてたけどさ。これ見たら、わかるかな?」
セイヤは、一枚の写真を出した。
写真には、一人の少女が笑ってる姿が写っていた。
未來。
今より若い。
顔立ちは、さほど変わらないが、明らかに何かが違う。
今は、大人びた笑い方しかしない。
砕けた感じの笑いは、一切ないのだ。
でも、写真の未來は心から笑っているのが伝わった。
「俺、これを見ながらがんばってたんです。けど、この頃の未來はもういない。」
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