ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
食事を終えると、
トモシはこっちが恥ずかしくなるようなことをさらっと言った。
「この後だけど…」
「はい」
「ホテルにでも行きますか…?」
「え…?」
突然の提案に、心臓がバクバク言い始めた。
「嫌…?」
消防署で受けた彼の第一印象は一転したが、
既に彼を好きになっていた私にそれを拒む理由などなく、
私は首を横に振った。
「嫌じゃないです…!全然っ…!」
するとトモシはまた笑った。
「よし。じゃ、決まりね」
…このときから私の道ならぬ恋が始まったのだけど、
私は背徳感に苛まれながらも彼といられる喜びに我を忘れ、
もう何がどうなってもいいと思っていた。
ただ彼と結ばれることが嬉しくて、
この先どんな未来が自分を待っているかなんて、
全く思いもしなかった…。