ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
「そんなの、別にウシオには関係ないでしょ…?私は私なりに精一杯“トーコ”をやったんだからいいじゃない…」
「けどさ、観客からしてみれば、やっぱりおかしいって思う人もいると思うんだ」
「でもガンさんはそんなこと全然言わなかったよ…?演出家に言われなきゃそれで良くない…?」
「それはそうかもしんないけどさ…」
まだ何か言おうとしているウシオに、私はだんだんいらいらしてきた。
「…ウシオさ、自分がちょっと演技ができるからって、私のこと見下してるわけ?」
「そんなことないけど…」
「うそ…。絶対バカにしてるくせに…!」
「だからそんなことないって…!」
「何よ…、私のことはほっといてって言ったでしょ…?!もう私には構わないでよ…!」
私はとっとと帰ろうとしたけど、
「待てよ」
ウシオに腕をつかまれ身動きが取れなくなった。
「は…、何…?」
ウシオの顔を見上げると、
彼は眉を下げた表情で私にたずねてきた。
「マユコさ、劇団やめるってホント…?」
「えっ…」