ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
「マユコ」
「え…っ」
最近はウシオに声をかけられることもなかったから、いきなり話しかけられてドキッとした。
「な…、何…?」
私が聞き返すと、
「お前、今日の演技、なんかかたくなかったか…?」
ウシオは突然そんなことを言い出した。
「“トーコ”ってさ、だんだん“アイダ”に惹かれていくだろ…?なのにお前、俺の前でやたらとかたいし、“アイダ”にプロポーズされるシーンだって、あんな顔してちゃ“トーコ”の気持ちを全然表現できてないと思うんだけど…」
「え…」
私は精一杯やったつもりだったので、いきなり難癖をつけられてカチンときてしまった。