ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
翌日。
公演2日目にして楽日の今日は、ウシオとは朝から挨拶すら交わさなかった。
ちらっと目が合ったりしたけど、すぐに目をそらされ、ムカつくほど嫌な態度を取られた。
…仕方がないとは言え、やっぱり悲しいものがある…。
だって、あんなに好き合ってたのに、こんなのってなくない…?
そりゃ、全部私が悪いのかもしれないけどさ…。
暗い気分のまま柔軟と発声を済ませて一旦楽屋に戻ると、
今公演の脚本を担当し、公演の間は受付係をしてくれるというガンさんの友達が椅子に座ってテレビを見ていた。
「あっ、お疲れ様です…。今日はよろしくお願いします…」
そう言って中に入ると、
ガンさんの友達は私の顔を見て言った。
「あ…、マユコさん」
「はい」
私が返事をすると、彼女は長机の上に置かれた小さな紙袋を指差して言った。
「それ、さっき会場の人から渡されたんだけど、なんかマユコさん宛てみたいよ」
「え…?」