ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
私が居場所を言えば、ウシオはすぐに駆けつけて、
泣いてる私を慰めてくれるに違いない。
けど、
こんなふうに彼に甘えていいものか、やっぱりためらってしまう。
「……」
〈なあ…、どこにいるんだよ…?〉
「……」
〈なんだよ…、全然聞こえないって…!〉
そのとき…。
私がトモシと乗るはずだった新幹線がホームに入ることを知らせるアナウンスが流れた。
《間もなく、×番線に×××、×号、××行きが参ります…》
その音が聞こえたのだろうか。
ウシオは言った。
〈もしかしてお前、××駅にいるのか…?〉
「……」
〈そうなんだろ…?〉
「…ん」
私は鼻をすすりながら答えた。
〈××駅のどのへん?〉
「新幹線の、改札んとこ…」
するとウシオはため息をついて言った。
〈何があったか知らないけど、今からそっちに行くから、それまでそこで待ってろよ…?〉